よくお客様からお寄せいただくご質問をおまとめいたしております。
皆様にもっとつげ工芸品の良さを知っていただければと思います。
つげ[黄楊/柘/柘植]は、比較的小さな常緑広葉樹ですが、木目が大変細かく、細かい彫刻が可能なので、古来から、櫛や印鑑、細工物の最高の素材として、親しまれてきました
つげは極めて緻密で割れにくい木で、硬く強く、耐久性が極めて高い材木です。非常に成長が遅く、高さ1~5m、直径10cm以下のものがほとんどです。 くしを作るには、その木を輪切りにした物を縦に割って材料にするので、くしの長さは木の直径以上にする事は出来ません。
長いくしは非常に大きなつげの木を材料にしているのです。
また、同じつげでも、外国産と日本産のものは性質が異なり、外国産のつげはもろく欠けやすいという特徴があります。 くし作りの際、その違いは特に重要で、国産のつげを使ったくしはどんなに歯を曲げても折れることはほとんどありませんが、輸入材を使ったくしは簡単に折れることが多いようです。
つげの事を「ほんつげ」などと言うこともありますが、正しくは「つげ」で、ヒメツゲ、イヌツゲなどは別種ですから、木の性質が違います。お買い求めの際は国産の「つげ」をどうぞ!
ブラシはマッサージ効果があるのに対して、櫛は毛筋を立てたり、髪を揃えるのに適しています。
伝統の製法として特徴的なものは、 鹿の角と研草を使った、木の特性を活かす伝統的な製作方法が挙げられます。
この方法で磨くことによって、ツゲの木の細胞をつぶす事無く磨きあげます。
木の呼吸を妨げないような仕上げで椿油の吸収がよく、髪に艶を与える事ができるのです。
ツゲの木はしなりが強く、固いので細かな細工が可能で、また長持ちします。
ツゲの持つそのような特徴が櫛にとって一番合っているからです。
また、逆に言えば、櫛と言えばツゲの木とも言えるでしょう。
大きな櫛などは材料の問題などから出会う事が難しいものです。
原材料であるツゲの木が成長するには時間がかかり、現在大きなツゲの木はほとんど存在しません。
大きな製品は過去に切り出されたツゲの木からつくりだされているのです。